水量が豊かで「上町の井戸」と呼ばれ、付近の住民に利用されていた高井家の井戸
小布施は扇状地のため地下水が低く、井戸を掘ることが困難でした。村内の井戸は数えるほどしかなく、住民は日常川の用いていました。高井家の井戸は殊に水量が豊かで「上町の井戸」と呼ばれ、ことあるごとに付近の住民に利用されていました。
ある年、松川の洪水で用水が枯れ、住民が困っている時、この井戸水で風呂をたて、鴻山にすすめたところ、鴻山は「皆が飲み水にも事欠いている時、自分だけ風呂に入ることはできない」と家人をたしなめたそうです。